CLOMO の全面採用で デバイスだけでなく、アプリもコンテンツも統合管理。
4,000台におよぶ膨大な数のスマートデバイスと、スマートデバイスで利用するモバイルアプリを、CLOMO で効率的に運用。セキュティポリシーの適用や緊急対策手段も解決。
iPad で社内技術資料の PDFファイルを共有。CLOMO SecuredDocs で最新ファイルの資料の更新やメンテナンスを主幹部門に委任し、運用効率が大幅に向上
CLOMO SecuredBrowser with i-FILTER で業務に無関係なウェブサイトの閲覧を制限。加えて、共有ブックマーク管理機能で、ユーザーの URL 入力の手間を削減。
堀内さま:2010年に弊社の技術研究所を建て替えたのですが、そのお披露目イベントで当時発売されたばかりの iPad を使ったデモを行ったのがそもそもの始まりでした。
当時の建設現場では、PDA端末を使って検査アプリケーションへの入力を行っていたのですが、これを試験的に iPad でも行えるようにしたのです。 このときには20台ほどの iPad を導入したのですが、イベントが終わった後に何カ所かの現場に配布して、実務でどのような使い道が考えられるか実地検証を行いました。
そんな折、それまで利用していた PDA端末の供給が、開発元メーカーの都合でストップすることになったのです。そこで急遽、これに替わる端末として iPad を採用することにしました。
堀内さま:2011年当時、発売されたばかりの iPad 2 を段階的に導入して、最終的には合計100台ほどを導入しました。 直接導入したのは弊社の情報子会社であるオーク情報システムで、検査アプリケーションがセットアップされた iPad を、弊社の現場がオーク情報システムからレンタルするという形を取りました。
堀内さま:はい。検査アプリケーションの本体はデータベースサーバと PC にあって、iPad はあくまでも現場での入力インタフェースとしての位置付けでした。 逆に、ほかの用途では一切使えないようにセキュリティポリシーを厳格に固めて、インターネットへのアクセスも完全に遮断していました。
堀内さま:はい。当時は、iPad をサポートしている国産 MDM製品というと CLOMO MDM が筆頭でしたから、MDM製品の選択で迷うことはほとんどありませんでした。 一応、複数の製品を比較検討してみましたが、やはり機能的にも CLOMO MDM が当時は抜きん出ていましたから。
堀内さま:そうですね。まだ当時は導入台数も少なかったですし、Wi-Fiモデルのみの導入ですから、リモートロックやリモートワイプといった高度な管理よりも、むしろ基本的なセキュリティポリシーの設定に重きを置いていました。この範囲においては、十分な管理レベルが達成できていたと思います。
大林組が独自に開発した「GLYPHSHOT」シリーズ画面イメージ
堀内さま:2012年夏に、経営層からの指示の下、実際に3000台の iPad の導入が始まりました。その導入目的には、大きく分けて2つがありました。
1つは、当初の目的でもあった、iPad を利用した各種検査システム「GLYPHSHOT」シリーズの展開を加速させることです。同システムの導入により検査データをその場でデジタル化できるため、従来の紙で記録してその後パソコンで再入力するといった二重入力がなくなります。
そしてもう1つの目的が、iPad を各現場で導入・活用することで、これまでの現場管理用に大量の図面と記録用デジタルカメラを持ち歩く、といったワークスタイルを変革し、現場の生産性を更に向上させようというものです。
堀内さま:その通りです。それまで、検査アプリケーション用途に限定していたのを、ほかのアプリの利用や、インターネットへのアクセスも許可する運用に切り替えました。
ただし、あくまでも業務で利用する端末ですから、無制限にインターネットアクセスを許可するわけにはいきません。PC からのインターネットアクセスには URL フィルタリングを実施していましたから、iPad にも同様の仕組みを導入する必要があると考えていました。
堀内さま:当時、iPad のブラウザで直接フィルタリングを実行できる製品はまだほとんどなかったのですが、他社の MDM製品の中にインターネットアクセスをクラウド環境上のサーバにリダイレクトして、一括して URLフィルタリングを実行するというものがありました。
この製品ではさらに、通信経路はすべて VPN でセキュアに保たれるため、セキュリティを担保する意味でも有用だと思い、CLOMO MDM に替わって導入することにしました。
堀内さま:はい。CLOMO MDM に戻した最大の理由は、コスト削減でした。導入した他社の MDM 製品では、MDM 機能とともに iPad端末とイントラネットの間の VPN接続が提供されることが魅力だったのですが、その後、社内と海外拠点との間の接続のために自前で SSL通信機器を導入することが決まりました。
CLOMO MDM を使えば、追加コストを一切掛けずに、iPad と社内システムの間のセキュアな通信を実現できます。一方、それまで利用していた他社の MDM製品は、その利用コストの半分近くを VPN接続サービス料金が占めていました。社内インフラも整い、VPN接続サービスを利用する必要が無くなったことから、再び CLOMO MDM に切り替えることで、導入コストと運用コストの削減を狙いました。
CLOMO は過去の導入経験から、稼働が安定していることを認識していたのも決定要因の一つでした。
アプリポータル画面イメージ
堀内さま:実は、MDM製品を CLOMO MDM に戻した理由の1つに、アイキューブドシステムズさんが「CLOMO SeucredBrowser with i-FILTER」の提供を始めていたことがありました。これを導入すれば、iPad 上の URLフィルタリングの課題を一気に解決できます。
加えて、「CLOMO SeucredBrowser with i-FILTER」は、「共有ブックマーク」の更新時などにも管理者からプッシュ通知を行えるため、例えば現場でシステムを試験導入するような場合、ユーザーが URL を直接入力しなくても済むようになりました。これはユーザーにとっても管理者にとっても、極めて利便性の高い機能だと実感しています。
また、自社開発した iPadアプリの配信や更新を効率化したいという課題も抱えていたのですが、これもアイキューブドシステムズさんの「CLOMO MOBILE APP PORTAL」を使えば解決できることが分かりました。
堀内さま:独自にウェブ経由で自社開発アプリの配信を行ったり、あるいはイントラネットのサイトでお勧めアプリの紹介を行っていたのですが、どうしてもできることに限りがあり、運用もうまく回っていませんでした。そこで、当初はアプリポータルの自社開発を計画していました。
CLOMO MOBILE APP PORTAL は、自社開発アプリ以外のアプリについても、おすすめアプリをユーザーへお知らせすることもでき、機能的にも満足でしたし、一からアプリポータルを自社開発するコストも掛からず、「これならわれわれのニーズを合致しそうだ」と判断しました。
堀内さま:もともと、社内技術資料の PDFファイルを共有するためある市販アプリケーションを利用していたのですが、iPad 出荷後は資料を更新することができませんでした。このアプリは、いずれはクラウド化して、技術資料の主管部門が自らファイルをメンテナンスできる体制に移行する予定でした。
アイキューブドシステムズさんから資料の更新やメンテナンス等、CLOMO SecuredDocs の機能説明を受け、これなら即座に課題を解決できると考えました。
堀内さま:はい。ちょうどそのころ、弊社が抱えていた課題を解決するための手段を、アイキューブドシステムズさんがすべて持っていたということですね。
現場施工者 iPad 利用イメージ
堀内さま:いいえ、すべてユーザー自身に直接対応してもらいました。情報システム部門では、MDMサービスの入れ替えや新アプリ導入の作業手順書を作成して、これをユーザーに提供しました。
手順書には、「既存の MDM をまず削除する」「CLOMO MDM Agent アプリをインストールする」「CLOMO SeucredBrowser with i-FILTER を設定する」「設定した CLOMO SecuredBrowser with i-FILTER か らCLOMO SecuredDocs を設定する」など、スクリーンショットを含め、分かり易く作業する手順に沿って作成をしました。
この手順書を作成するに当たっては、アイキューブドシステムズさんの CLOMO コンシェルジュに全面的に協力していただきました。そのおかげで、移行作業は極めてスムーズに運びました。
堀内さま:2013年4月中旬からユーザーへの作業依頼を始めて、その後約1カ月半でほとんどの移行作業が完了しました。ユーザー任せで MDM の移行が本当にできるか、若干の不安もあったのですが、実際にやってみるとほぼ問題なく移行できました。キッティング業者に頼むことなく、ユーザー任せでもここまでできることが分かったのは、今回の移行プロジェクトの大きな収穫の1つでしたね。
堀内さま:CLOMO MDM 導入によるコスト削減効果はほぼ予定通りだったのですが、これに加えて CLOMO SecuredDocs の導入による共有ドキュメントのメンテナンス効率化の効果は、目に見えてはっきり表れていますね。共有するドキュメントの主管部門に ID を付与して、直接ドキュメントの更新や管理を依頼しているため、情報システム部門の管理作業は明らかに軽減されました。
堀内さま:ポータル上でアプリの更新を促したり、あるいはお勧めアプリを紹介したりといったことを、管理者が中央で一元管理できる点がいいですね。
ちなみに弊社では、ユーザーが iPad にインストールするアプリに、特に制限は設けていません。もともとの導入目的がワークスタイルの革新にありますから、これに適うアプリであればどんどん活用してほしいし、ほかの現場や部署で使われているアプリでお勧めのものがあれば、ぜひ活用してみてほしい。そうした横展開のための仕掛けとしても、CLOMO MOBILE APP PORTAL は極めて有効だと感じています。
堀内さま:もちろんです。特に DropBox をはじめとするオンラインストレージサービスの利用は、利用ガイドラインで厳しく制限しています。やはり情報漏えいリスクを少しでも低減するためには、会社が認めていないクラウドサービス上に業務データを保管しておくわけにはいきません。
このあたりの運用を徹底させるために、今後は CLOMO MDM で各 iPad で導入されているアプリの一覧を取得して、その内容を精査するような取り組みも検討しています。
堀内さま:現場の規模や特質、工期の進捗などによって iPad の活用度合いはまちまちですが、中にはとてつもなく凝った使い方をしているユーザーもいます。そうした先進的な使い方をほかの現場にもフィードバックできればと思い、勉強会を各地で開く、あるいはトレーニング用の動画を作成するといった取り組みを進めています。
また今年1月には利用者アンケートを実施して、その結果を分析した上で今年度の取り組みの計画を立てています。
堀内さま:現場ユーザーから上がってきた要望やフィードバックを基に、新たな業務アプリケーションの開発を進めています。アンケートで多く寄せられたのが、「PC と連携しながら利用するのではなく、iPad 上だけですべての処理を完結させてほしい」という要望でした。
そこで、最近開発した「是正指示システム」では、図面の取り込みからデータ入力、帳票出力に至るまで、すべての処理を iPad 上で実行できる仕様としました。一方、私たち ICT部門がアイデアを出して開発を進めるアプリもあります。例えば、「黒板付きカメラアプリ」もその1つです。通常、現場の写真を撮影する際には、黒板に関連情報を書き込んで一緒に写します。
しかし、今回われわれが開発したアプリと iPad のカメラ機能を使えば、本物の黒板を使うことなく、バーチャルな黒板をアプリ内で生成し、写真データの中に自動的に含めることができます。
堀内さま:このほかにも、かなり早い段階から手書き文字認識システムを導入するなど、ユーザーからのフィードバックを基に現場での使い勝手を高めるための工夫を盛り込んできました。
また、各支店で定期的に iPad 利用に関する集合研修を開催するなど、ICT担当者に対するフォローなども継続して行っています。iPad は導入それ自体が目的なのではなく、あくまでも道具なので現場で使いこなしてもらわないと効果が発揮されません。
今後も更なる利活用の高度化に向けた取り組みをどんどん進めていければと考えています。
※本事例中に記載の内容は掲載時点のものであり、閲覧される時点にて変更されている可能性があることをご了承ください。
30日間、無料で CLOMO MDM をお試しいただけます。
是非、トライアルボタンよりお申し込みください。