「訪問介護」「障害者相談支援事業」などの訪問業務におけるスマートデバイスの導入
職員個人のデバイスを使わざるを得ない状況では、個人情報の流出やウイルス感染の可能性がある。CLOMO MDMでセキュリティ対策を行いつつ、スマートフォンを用いた業務の効率化を実施
MDMに加え、CLOMO SecuredBrowser with i-FILTERで二重のセキュリティ対策が可能。業務用デバイスの私物化を防ぐための制御ができ、なおかつ閲覧履歴の確認もできる
MDMの操作や管理を、CLOMOオンラインセミナーに参加することで克服。セミナー動画を職員で共有し、マニュアル制作も行った
社会福祉法人天竜厚生会は、「ケアサポートセンター(居宅介護支援事業所)」や「障がい者相談支援事業所」など、訪問業務を中心にAndroidスマートフォンを導入。スマートデバイスを活用した「業務改善」と「リスク管理」を行っている。
社会福祉法人天竜厚生会は、1950年5月に創立。静岡県内の障害者支援、高齢者支援、子育て支援、医療サービスなど、約260の事業を行っている。
同法人は2022年、Androidスマートフォンを20台導入した。主に使用している機能は、Googleマップ、ショートメール、ブラウザ上のWeb検索だという。
「訪問業務の職員に、Androidスマートフォンを提供しています。地域で生活するご利用者の中には、山間部にお住まいの方も少なくありません。訪問先に辿りつかないこともあり、職員はGoogleマップを活用しています。また、職員間で即座にご利用者の情報共有を行うため、ショートメールが欠かせません。さらにご利用者の相談内容によっては、専門的な知識や法令などをWeb検索で調べる必要もあります」(財務部 設備情報管理課 松崎英嗣氏)
カーナビの装備がない車両でご利用者宅へ訪問をする場合は、職員個人のスマートフォンやアプリに頼らざるを得ないことも。しかしそれでは、個人情報流出の可能性やウイルス感染の懸念がある。こうした理由から個人のデバイスを使用せずに、万全なセキュリティ対策を図りたいと考えた。そこでMDMの導入に踏み切った。
「MDMを導入することで、「業務改善」と「リスク管理」の両立に繋がると考えました。業務に不要な機能を制限することでリスクが軽減でき、必要に応じて許可した機能のみが使用できます」(松崎氏)
社会福祉法人 天竜厚生会が運営する施設一覧(一部)
財務部 設備情報管理課 課長
松崎 英嗣 氏
MDMの導入に際し、6社が候補に上がった。そのうち2社でトライアルを行い、CLOMOを採用した。
「決め手は、3点あります。一つは我々が希望する機能が、すべて備わっていたことです。CLOMOなら、Android、iOS、Windowsの3つのOSを制限できます。さらにスマートデバイス紛失の際には位置情報の確認ができ、遠隔操作によるリモートロックも可能です」(財務部 設備情報管理課 森田美穂)
スマートデバイスを紛失した際にも追跡や操作ができ、なおかつ汎用性にも優れている。だからこそ、CLOMOを選んだと話す。
「二つ目は、管理画面の優れた操作性です。MDMはさまざまな機能があるがゆえ、メニューは煩雑化しがちです。ところがCLOMOの管理画面は実にシンプルで、使いやすい製品でした」(森田氏)
MDMの中には画面が複雑で、使いたい機能にたどり着くのが困難な製品もあり、必要とする機能を見つけられなかったと話す。同法人は担当者の異動も多く、導入するMDMは直感的で理解しやすく簡単に引き継ぎができることを望んでいた。
「三つ目は、毎月多彩なセミナーを開催している点です。不明点の解決や新しい機能を学びたい場合も、CLOMOオンラインセミナーが助けてくれます」(森田氏)
2022年、Androidスマートフォンの仕様変更に伴い、アプリの運用方法も変わった。その際にも森田氏は運用できるか不安だったが、CLOMOオンラインセミナーで学んだ。セミナー動画を課内で共有し、マニュアル制作にも役立てている。
同法人はWebフィルタリングについても、重要だと考えていた。
「業務上に不要なサイトを、あらかじめ設定するためです。まずはAndroidスマートフォンの私物化を、防がなくてはなりません」(森田氏)
そこで、CLOMO SecuredBrowserも採用した。CLOMO SecuredBrowserは、スマートデバイスのウェブ閲覧を安全に保つアプリだ。本製品であれば、Webフィルタリングのみならず、閲覧履歴の取得も可能。ウィルス感染時にも当該時刻や、どのWebサイトが感染源かを突き止めることができる。
さらに同法人は、CLOMO SecuredBrowser with i-FILTERも使用している。本製品は、CLOMO SecuredBrowserの機能に加え、カテゴリフィルタリングを可能にするブラウザアプリだ。
フィルタリング機能を使うことでMDMに加え、二重のセキュリティ対策が取れる。さらにi-FILTERならアダルト、ドラッグ、ゲームなどのカテゴリーごとに、Webフィルタリングも可能になる。閲覧を禁止するURLを全て入力するには膨大な労力と時間がかかるが、それも簡単に制御できる。
ただし、中にはWebフィルタリングで閲覧不可にしたカテゴリーであっても、業務に必要なWebサイトもあるだろう。CLOMO SecuredBrowser with i-FILTERなら、こうした例外のWebサイトについても対応が可能だ。
「『サイト閲覧制限機能』を活用し、許可するURLもしくは不許可とするURLを登録することで、例外サイトを設けました。それも簡単な操作で、閲覧できます」(森田氏)
財務部 設備情報管理課 事務員
森田 美穂 氏
2024年4月現在、同法人のAndroidスマートフォンは67台に及ぶ。さまざまな事業所から、「Androidを導入して欲しい」という相談が相次いでいる。
「反響からもわかるように、業務改善に繋がったように感じます。職員自身の携帯電話を使用する必要もなく、スムーズに業務を行えています」(森田氏)
今やどのような業界もスマートデバイスを導入し、業務改善を図っている。今後のスマートデバイスの活用や展開については、どのように考えているのだろうか。
「福祉業界は、常に人材が不足しています。たとえばご利用者の支援の中でも、人の手で行ったほうが良い業務がある一方で、ICT機器で賄っても構わない業務もあるのではないでしょうか。それらを両立させていくことで、業務負担の軽減や支援の充実化、人材確保に結びつくと良いと思います」(森田氏)
「現場の活用ニーズや他社の活用シーンを参考にすることで、活用の幅はさらに広がると思います。それが、天竜厚生会のサービスの付加価値に繋がっていくのではないでしょうか」(松崎氏)
静岡県内の福祉業界を支え続ける、天竜厚生会。同法人のサービスの創出や人材確保の一助になれるよう、アイキューブドシステムズは尽力していく。
※本事例中に記載の内容は掲載時点のものであり、閲覧される時点にて変更されている可能性があることをご了承ください。
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