iPhoneは、使い勝手の良さや信頼できるセキュリティ機能、効率的な管理能力が特長です。そのため、社用携帯として多くの企業で採用されています。一方で、コストや管理上の課題などの考慮すべき点も存在します。
本記事では、社用携帯としてiPhoneを導入する際のメリット・デメリットや、日々の運用におけるポイントをご紹介します。また、導入後の課題やその解決策もご説明します。
Contents
社用携帯にiPhoneを採用するメリット
iPhoneは、使いやすさや高品質なアプリとサービスの提供、寿命が長いことなどが特長です。まずはiPhoneの特長を踏まえ、社用携帯にiPhoneを採用するメリットをご紹介します。
使い勝手が良い
iPhoneは高性能なプロセッサを搭載しており、アプリの起動や切り替えが非常にスムーズです。日本でのシェア率も高く、多くの従業員がプライベートでもiPhoneを利用しているでしょう。多くの人が操作に慣れているため、社用携帯としてiPhoneを導入する際の教育や研修の負担が軽減されます。
また、iPhoneのUI(ユーザーインターフェース)は、直感的で理解しやすいです。画面構成や機能も、シンプルで洗練されています。業務用途で重要となるメールやスケジュール管理、ドキュメントの閲覧・編集機能も、直感的な操作でスムーズに行えます。
高品質なアプリ・サービスを利用できる
App Storeでは、Appleが求める厳しい基準をクリアした、高品質で安全性の高いアプリのみが提供されています。iCloudのようなクラウドストレージサービスや、撮影した画像をPDFに変換できる「ファイル」など、ビジネスシーンで役立つアプリや機能も多く搭載されています。
Apple製品間での連携もしやすく、MacやiPadとのシームレスなデータ共有が可能です。Apple WatchやAirPodsといった周辺機器との高い互換性も、業務の多様化を実現します。
寿命が長い
iPhoneは、バッテリーの寿命が長く、耐久性に優れている点も特長です。iPhoneのハードウェア・OS・アプリは、電力効率を最適化するように設計されているため、バッテリーの持続性が高くなっています。
さらに、Appleは新しいiOSのアップデートを約5年間提供しているようです。古いモデルでも、最新の機能やセキュリティ更新を受けることができます。
デバイスをより長く、安全に使用できる長期のサポート体制が整えられています。そのため、デバイスを長期間利用でき、全体の運用コストの削減にもつながります。
社用携帯にiPhoneを採用するデメリット
iPhoneを社用携帯として採用することには、デメリットも存在します。中でも大きなデメリットはiPhoneは性能とブランド価値により、端末が高価であることです。古いモデルであっても5万円を超えることが多く、最新モデルになると20万円を超えることも珍しくありません。
多くの従業員を抱える企業・組織では、iPhoneの導入費用が大きな負担となる可能性があります。メリットと比較し、費用対効果を考慮して慎重に検討すべきでしょう。
【iPhoneとAndroidの比較】iPhoneが向いている企業は?
iPhoneと並んで社用携帯としてよく比較されるのはAndroidです。まずはiPhoneとAndroidの違いや特徴を整理します。
iPhone | Android | |
---|---|---|
端末のラインナップ | △(少ない) | ◎(多い) |
価格 | △(中〜高価格帯) | ◎(低〜高価格帯) |
性能・操作性 | ◎(高い) | 〇(低い〜高い) |
セキュリティ | 〇(高い) | 〇(高い) |
OSのサポート期間 | ◎(5年間ほど) | △(2〜3年間のものが多い) |
国内のユーザ数 | ◎(きわめて多い) | 〇(多い) |
配信されるアプリの質 | ◎(きわめて高い) | 〇(高い) |
Apple製品との連動性 | ◎(きわめて高い) | △(低い) |
Windowsとの連動性 | △(低い) | 〇(高い) |
iPhoneは、端末のラインナップが比較的限られています。価格帯も中価格帯から高価格帯に集中しています。性能・操作性やセキュリティ、OSのサポート期間、配信されるアプリの質、Apple製品との連動性などは高いといえます。
そのため、iPhoneが向いている企業は以下のような企業です。
● 一度導入した端末を長期的に使用する企業 ● 操作性を重視する企業 ● iPhoneやMacなどのApple製品に馴染みがある従業員が多い企業 |
一方、Androidは端末のラインナップが豊富で、低価格帯から高価格帯まで幅広い選択肢があります。性能・操作性は端末によって幅があり、セキュリティやOSのサポート期間はiPhoneに比べて短い傾向にあります。また、Windowsとの連動性に優れている点はAndroidの大きな利点です。
社用携帯としてiPhoneとAndroidのどちらを選ぶべきかは、企業のニーズによって異なります。コストパフォーマンスや利用シーン、従業員の利便性などを考慮して最適な選択をすることが重要です。
社用携帯におすすめのiPhone機種
さまざまなモデルが展開されているiPhoneの中で、社用携帯におすすめの機種をご紹介します。業務内容や利用シーンなどによって、自社に最適な機種を選ぶようにしましょう。
端末料金を抑えるなら「iPhoneSE」
性能や操作性を担保しつつ、端末料金を抑えたい場合は、iPhone SEがおすすめです。iPhone SEは手頃な価格ながらも、Appleの最新チップを搭載しているため、性能も操作性も申し分ありません。ほかにも、カメラ機能や耐水性能にも優れています。
また、ビジネスシーンでの多様なニーズに応える機能・性能を備えています。コストパフォーマンスを最優先する企業にとって、iPhone SEは機能性と経済性のバランスが取れた選択肢といえるでしょう。
機能性を重視するなら最新機種
機能面を重視し、将来にわたって最新のテクノロジーを活用したい場合は、最新機種が良いでしょう。たとえばiPhone 15は、最先端のチップや高度なカメラシステム、長時間持続するバッテリーなど、非常に多彩な機能を搭載しています。
端末費用が高額になるものの、機能性は抜群です。最新のテクノロジーと長期間のアップデートなどを考えれば、コストパフォーマンスに優れているといえるかもしれません。
社用携帯にiPhoneを採用する際のポイント・注意点
iPhoneを社用端末として採用する際には、いくつかの注意点があります。ここではiPhone導入時の課題と対策をご紹介します。
従業員が多い場合、大きな導入コストがかかる
社用携帯としてiPhoneを採用する際、従業員の数によっては導入コストが大きな問題となることがあります。古い型落ち機種であっても、端末費用は高額になりがちです。しっかりと使いこなせるか、導入コストに見合ったパフォーマンスが期待できるかを考える必要があります。
ただし、iPhoneは性能や使い勝手、耐久性、サポートなどが優れているため、値崩れしにくいのが大きな特長です。5年経過後のデバイスでも、Androidに比べて下取り価格が高くなることもあります。そのため、単純な導入コストだけではなく、ライフサイクル全体を考えたトータルコストで判断することが重要です。
管理・運用のルールを策定する必要がある
社用携帯を導入する際には、効果的な管理・運用のためのルール策定が必要です。業務で使用するアプリや設定を統一したり、不要なアプリのインストールを禁止したりする必要があります。社用携帯としてiPhoneを最大限活用するためにはルールを明確にし、スタッフに周知することが重要です。
また、通信費の管理も考慮する必要があります。業務用データプランの選定やスタッフの私的利用によって発生した通信費の取り扱いについて、明確なガイドラインを設けることでコストの発生を防ぎます。
加えて、盗難や紛失時などの万が一の事態に備え、リモートでデータを消去できる機能の活用や、端末の追跡方法も考えておきましょう。
単体ではセキュリティリスクがある
iPhoneは、セキュリティ面での安全性の高さが特長です。セキュリティの脆弱性を改善するために定期的なアップデートが行われたり、厳しい審査を通過したアプリだけが提供されたりしています。
しかし、インターネットを介したウイルス侵入のリスクや、従業員による悪用の可能性など、iPhoneに備わっているセキュリティだけでは対応しきれないリスクも存在します。
また、iOSのアップデートを怠ること自体がセキュリティリスクになり得ます。新たにセキュリティパッチが施されたOSがリリースされても、デバイスにアップデートが適用されなければ、その恩恵を受けることはできません。
このように、iPhone単体での高いセキュリティ性能も、適切な管理と定期的なアップデートが伴わなければ、その効果を十分に発揮することはできません。社用携帯としてiPhoneを導入する際には、予期せぬトラブルに見舞われることがあります。情報漏洩や不正利用が起きないよう、セキュリティを強化しておく必要があります。
社用携帯にiPhoneを採用する場合はMDMの導入がおすすめ
社用携帯にiPhoneを採用する際は、MDM(モバイルデバイス管理)の導入がおすすめです。MDMを利用することで、アプリの配布や削除、端末の利用状況の把握などを一元管理できます。端末管理の効率化はもちろん、セキュリティ強化にもつながります。
遠隔での端末ロックやデータの消去も行えるため、盗難や紛失時の情報漏洩対策にも有効です。OSのアップデート管理機能も備えているため、端末を常に最新の状態に保つことができます。
社用携帯の包括的な管理を可能にし、業務負担やセキュリティリスクを大幅に軽減できます。そのため、MDMは多くの企業で採用・導入されています。
関連記事:MDM(モバイルデバイス管理)の必要性とは?導入のメリットをわかりやすく解説
関連記事:iPhone・iPadにMDMを導入する方法を5つのステップでご紹介
CLOMO MDMで安心・安全なiPhoneの運用を
社用携帯でiPhoneを採用する場合は、CLOMO MDMによるデバイス管理がおすすめです。
CLOMO MDMは、iPhone・iPadをはじめ、さまざまなモバイルデバイスを統合的かつ効率的に管理できるサービスです。豊富な機能と充実のサポート体制により、国内MDM市場シェアで13年連続No.1*を達成しています。
セキュリティ対策やアプリの一斉配布・削除、利用状況の把握など、社用携帯の管理に必要な機能を備えています。法人iPhoneの管理を効率化するABM(Apple Business Manager)やADE(Automated Device Enrollment)にも対応しています。
また、社内専用のアプリポータルを構築できる「MOBILE APP PORTAL」も提供しています。従業員の利便性を損なわず、社内アプリの導入や利用方法の確認などを効率的にできるように設計できます。
*出典:デロイト トーマツ ミック経済研究所「コラボレーション/コンテンツ・モバイル管理パッケージソフトの市場展望」2011〜2013年度出荷金額、「MDM自社ブランド市場(ミックITリポート12月号)」2014~2022年度出荷金額・2023年度出荷金額予測
まとめ
使い勝手や品質、耐久性の面から、社用携帯にiPhoneを採用してはいかがでしょうか。iPhoneを導入・運用する際には、ルールの策定やアップデート管理、セキュリティ対策など、さまざまな注意点もあります。安全で効率的な管理ができるMDMを導入し、端末を適切に管理することが大切です。
CLOMO MDMは、遠隔監視や機能制限設定、遠隔デバイスロック、遠隔デバイス消去、AI型ウイルス対策ソフトとの連携など、豊富なセキュリティ機能を備えています。専任のサポートチームによるサポート体制も整っており、安全で効率的なデバイス運用をサポートします。iPhone以外にもAndroid・Windowsなどの幅広いOS・デバイスへも対応しています。
CLOMO MDMの機能・活用事例のダウンロードや製品についてのお問い合わせも気軽にできるため、ぜひご活用ください。CLOMO MDMを使って、安全で効率的な社用iPhoneの管理・運用を行いましょう。