近年、スマホやタブレットなどのモバイルデバイスが業務や教育現場、医療現場で広く利用されています。それに伴い、デバイスの効率的な管理と情報漏洩などによるセキュリティリスクが重要な課題となっています。そこで注目されているのがMDM(モバイルデバイス管理)です。
本記事では、管理者・利用者・企業・学校・医療機関の視点から、MDM導入のメリットをご紹介します。あわせてMDMを導入するデメリットや注意点もご紹介するため、参考にしてください。
Contents
MDMとは?
MDM(モバイルデバイス管理)とは、企業・学校・医療機関などで使用するモバイルデバイスを一元管理するシステムです。
デバイスの使用状況の把握や、デバイスやアプリの各種設定を一括で行うことができます。デバイス盗難・紛失時のセキュリティリスクを回避する機能も搭載されており、安全な利用をサポートします。
スタッフの私用デバイスを業務でも使用する、BYOD(Bring Your Own Device)を導入している企業・組織が増えています。そのため、デバイスを統合的に管理し、セキュリティや生産性を向上させるMDMの必要性も高まっています。
関連記事:MDM(モバイルデバイス管理)の必要性とは?導入のメリットをわかりやすく解説
MDMを導入するメリット
MDMの導入によって、さまざまなメリットを得られます。ここでは、デバイス管理者・デバイス利用者・企業・学校・医療機関のそれぞれの視点から、MDM導入のメリットをご紹介します。
管理者側のメリット
管理者では、以下のようなメリットが考えられます。
デバイスの管理・運用負担の軽減 ●管理画面から、すべてのモバイルデバイスを一括で管理できる ●OS設定・機能制限・アプリ配布・セキュリティ制御などを一度に行える デバイスの導入作業の簡略化 ●デバイスの各種設定・アプリのインストール・セキュリティポリシーの適用などを自動化できる デバイスの利用状況の把握が可能 ●管理画面から、すべてのデバイスの利用状況の把握ができる ●各デバイスの使用状況や、設定情報を個別に確認する必要がなくなる デバイスの紛失・盗難対策 ●緊急時に遠隔で端末ロック・データ消去が行える ●デバイスの位置情報の取得が可能 ●第三者による不正利用での個人情報・機密情報の漏洩を防げる |
管理者側のメリットとしては、デバイスの管理・運用負担の軽減や導入作業の簡略化があげられます。従来は1台ずつ手作業で行わなければならかった作業が不要となり、時間と労力の節約に大きく貢献します。
利用者側のメリット
利用者側では、以下のようなメリットが考えられます。
社外での安全な業務が可能 ●セキュリティ対策により、組織内外を問わず、安全に業務を行うことが可能 ●ワークライフバランスの向上が期待できる 異動時の作業の簡略化 ●部署異動などによって設定やアプリが変更する場合でも、管理者が一括で設定を変更してくれる ●従業員自身の難しい設定作業が不要になり、スムーズに業務を継続できる |
利用者側のメリットとしては、セキュリティ面での懸念事項が減り、社外でも安全に業務ができるようになることでしょう。どこにいてもデバイスを安全に使用できるため、多様な働き方を支援します。
企業がMDMを導入するメリット
企業の立場では、以下のようなメリットが考えられます。
組織全体のセキュリティ強化 ●全デバイスに一貫したセキュリティポリシーを適用できる ●デバイス上のデータを保護できる ●不正アクセス・情報漏洩のリスクを大幅に低減できる デバイスの盗難・紛失対策 ●緊急時に端末の遠隔ロックやデータの遠隔消去ができる ●第三者による不正利用を防ぎ、情報漏洩リスクを抑えられる 導入・運用コストの削減 ●デバイスのキッティング・運用業務を一元化・自動化できる ●デバイスの導入・運用コストを削減できる 従業員の生産性向上 ●業務に不要・不適切なアプリの使用を制限できる ●デバイス内の私的領域と業務領域を、独立して管理できる ●従業員の集中力・生産性向上につながる |
企業がMDMを導入するメリットは、情報漏洩による企業価値の損失の回避や、デバイス管理の一元化・自動化によるコスト削減、デバイス制御による従業員の生産性向上などがあります。企業にとって、MDM導入は事業活動を支える力となります。
学校がMDMを導入するメリット
学校の立場では、以下のようなメリットが考えられます。
授業の準備時間の削減 ●ICT教育カリキュラムに則ったデジタル教材や、学習アプリを生徒のデバイスに 一括で配布・更新できる ●教師の授業の準備時間削減につながり、その分のコストを教育内容の充実に回せる 学習環境の整備 ●授業に不要なアプリ・機能を制限できる ●生徒がより授業に集中できるようになる ●個別学習促進の後押しにもなる 生徒の学習意欲の向上 ●デバイスのセキュリティ強化により、学校外でも安心してデバイスを使用できる ●生徒の学習機会の増加・学習意欲の向上に寄与する |
学校がMDMを導入するメリットは、教師の授業の準備時間削減や学習環境の整備、生徒の学習意欲の向上などがあげられます。教師・生徒双方にメリットが多数あり、ICT教育の促進を強力にバックアップします。
医療機関がMDMを導入するメリット
医療機関の立場では、以下のようなメリットが考えられます。
重要インフラの保護 ●強固なデバイス制御やセキュリティ対策が可能 ●患者情報や院内ネットワーク、基幹システムを保護し、セキュリティリスクを最小化できる 情報・データの保護 ●院外でのデバイス使用を制限できる ●デバイスの使用状況の把握や、デバイス盗難・紛失対策を行える ●電子カルテの患者情報やレセプト情報などの機密データの保護に役立つ モバイルヘルスの促進 ●デバイスを安全に取り扱えるようになる ●モバイルデバイスを活用して健康管理や医療サービスを提供する 「モバイルヘルス」の促進につながる |
医療は重要なインフラの1つです。そのため、サイバー攻撃を受けた場合に、甚大な被害が発生する可能性があります。
MDMの導入によって、院内で使用するデバイスのセキュリティが強化され、インフラの保護に大きく貢献します。モバイルデバイスを活用した業務や医療行為が広がっているため、医療機関におけるMDMの導入は特に重要です。
MDMを導入するデメリット・注意点
MDMを導入することによるデメリットもしっかり理解しておき、導入の検討を進めることが重要です。MDMを導入する際のデメリット・注意点をご紹介します。
端末の利便性を損なう可能性がある
端末の機能制限を過度に行ったり、過剰なセキュリティポリシーを適用したりすることで、かえって利用者の利便性を損ねてしまう可能性があります。従業員の生産性低下が見込め、管理者が関与していないデバイスを無断で使用するシャドーITのリスクの増大につながります。
また、従業員の私用デバイスを業務でも使用するBYODを採用する場合、業務領域と私的領域のバランスを取る必要があります。利用者とのコミュニケーションを図り、十分な理解を得た上でモバイル管理を行う必要があります。
導入にはコストや手間がかかる
管理するデバイスの台数に応じた導入コストや、維持コストが発生します。MDMを安全に運用するためには、セキュリティポリシーの周知やデバイス取り扱い研修などの教育コストも必要です。
また、設定や連携作業をメーカー技術員に代行依頼するケースも考えられます。そのため費用やサポートを含め、満足のいくMDMサービスを選定することが重要です。MDMの導入を検討する際には、料金やサポート体制、導入実績を確認するようにしましょう。
CLOMO MDMは市場シェア13年連続No.1のMDMサービス
CLOMO MDMは、スマホやタブレットなどのモバイルデバイスを統合的かつ効率的に管理できるMDMサービスです。多くの企業・学校・医療機関に導入されており、国内MDM市場シェアで13年連続No.1*を達成しています。
専任チームによる丁寧なサポートを行っており、悩みや困りごとを解決まで徹底サポートします。また、オプションサービスでキッティングや設定・運用代行も行っています。そのため、導入から運用までのすべての工程をワンストップで行うことも可能です。
対応デバイスはiPad・iPhone・Android・Mac・Windowsと幅広く、デバイスのきめ細かい制御ができます。操作感に優れたUI(ユーザインターフェース)で使いやすいのも特長です。そのため、特別な知識やトレーニングなしで簡単に操作・管理ができます。
*出典:デロイト トーマツ ミック経済研究所「コラボレーション/コンテンツ・モバイル管理パッケージソフトの市場展望」2011〜2013年度出荷金額、「MDM自社ブランド市場(ミックITリポート12月号)」2014~2022年度出荷金額・2023年度出荷金額予測
まとめ
MDMを導入することによって、スマホやタブレットを効率的に管理できます。同時に情報漏洩・不正利用などのセキュリティ対策もできます。
MDM導入のメリット |
● 管理者:デバイスの管理・運用負担の軽減、デバイスの導入作業の簡略化、デバイスの紛失・盗難対策 ● 利用者:社外での安全な業務が可能、異動時の作業の簡略化 ● 企業:組織全体のセキュリティ強化、従業員の生産性向上 ● 学校:授業の準備時間の削減、学習環境の整備、生徒の学習意欲の向上 ● 医療機関:重要インフラの保護、情報・データの保護、モバイルヘルスの促進 |
MDM導入のデメリット・注意点 |
●過度な利用制限やセキュリティポリシーによる利便性の損失が懸念される ●導入・維持・教育コストが必要 |
上記のようなメリットに加え、デメリットや注意点も考慮し、最適なMDMを導入することが大切です。
CLOMO MDMは、国産MDMメーカーとして充実したサポート体制を整えています。さまざまな機能のもとで柔軟なデバイス管理ができるため、企業・学校・医療機関への導入実績も豊富です。製品の機能・活用事例のダウンロードや製品についてのお問い合わせもお気軽にできるため、ぜひご活用ください。
監修者
上瀬 典明
CLOMO事業本部 営業部
通信キャリア、セキュリティベンダーでデバイスのセキュリティ対策の経験を経て、2022年にCLOMO事業本部 営業部に入社。前職での経験を活かし、マルウェア感染をはじめとしたサイバー攻撃からデバイスを保護するためのエンドポイントセキュリティ製品の提案や導入支援を担当する。現在は、特にセキュティに関して幅広い提案が求められる教育業界を中心にデバイス活用の提案を行っている。